星見里市(ほくとし)清里の七夕
「星見里市」とは北杜市の愛称です。もともとは「月見里」と書いて「やまなし」と読む苗字があります。山が無いと月が良く見える、というちょっとトンチの効いたネーミングですね。ですので「月見里県」で「やまなしけん」。で、北杜市のある八ヶ岳南麓地域は、国立の天文台をはじめ、アマチュアのミニ天文台や天文写真マニアが集う場所として有名でした。そこで「月見里県星見里市」で山梨県北杜市の愛称としてセットで用いられるようになりました。
清泉寮の前の牧草地では、お天気に恵まれればこんなにもはっきりと天の川をみることができます。
左の写真は、7月の中旬頃の彦星(牽牛星:アルタイル)と天の川をはさんで織姫(織女星:ベガ)のならんだ姿。そしてそのふたつの星の上部に写っているのが白鳥座のデネブ。この三つの星を結んだ形は“夏の大三角形”と呼ばれています。このデネブは、ちょうど天の川の真ん中に位置しているため、織姫と彦星の間を取り持つカササギに見立てられおり、別名“カササギ星”ともいわれています。
そして、今年も清泉寮新館フロントに七夕の笹の飾り付けを開始しました。
この七夕の起源は中国に始まったものとされていますが、その成り立ちの時代については、有史以前からというものから、1900年程前の後漢の時代まで諸説あります。日本では、中国伝来の行事と、日本古来の伝承、さらに盆行事の一環としての行事など、さまざまな要素が入り混じって今日に伝承されています。その由来や目的も地方によって様々で各地域では独特の七夕祭りがおこなわれています。
ここ、山梨の七夕は全国でも珍しい、「七夕人形」を飾る風習がありました。今はすっかり廃れてしまっていますが、昭和30年ごろまでは一般の家庭でも見られたそうです。この七夕人形は「お留守居さん」といわれ、七夕が終わった後も家を守るということで大切に保管されていました。このように七夕は、長い時間、たくさんの人々によって語り続けられた風習になりました。
清泉寮の新館フロントの笹飾りにも、この山梨特有の七夕人形を飾っています。ぜひ、ご覧くださいね。
そして、美しい星空を見ながら、当時の人々に思いを巡らせるという贅沢な時間の過ごし方はいかがでしょうか。